2013年 若手の会 単独研究会

※本単独研究会の講演者はすべて若手の会運営委員の推薦による招待講演です。

  • 9:55 - 10:00 はじめの言葉(若手の会主査:荻田 武史(東京女子大学))
  • 10:00 - 11:00(司会:山中 脩也)
    講演者:保國 惠一(国立情報学研究所)
    講演題目:最小ノルム解のための内部反復前処理
    概要: 線形方程式を解くためのクリロフ部分空間法に対する従来の前処理の多くは 行列の不完全分解に基づくが、不完全分解を行うためには計算時間や記憶容量を 多く要する。一方、正方行列を係数行列にもつ線形方程式に対しては 定常反復法に基づく内部反復前処理が提案されているが、 係数行列が長方行列である場合についてはあまり研究されていない。 そこで本研究では、線形方程式の最小ノルム解を求めるために 右前処理付き一般化最小残差法(AB-GMRES法)に対して定常反復法を用いた 内部反復前処理を提案する。係数行列がランク落ちである場合でも 提案法が破たんすることなく最小ノルム解を与える十分条件を示す。 さらに、内部反復前処理された行列の固有値解析から提案法が与える残差の上界を与える。 最後に,提案法が従来法よりもロバストで効率がよいことを数値実験で示す。 なお、本研究は速水謙教授(国立情報学研究所・総合研究大学院大学)との共同研究である。
  • 11:05 - 12:05(司会:安池 智一)
    講演者:大塚 勇起(神戸大学)
    講演題目:モデル空間量子モンテカルロ法の開発
    概要: 高精度かつ並列化効率の高い電子状態理論として、配置空間の量子モンテカルロ法がある。この方法では、Configuration Interaction (CI)係数をウォーカーの密度分布として確率的に表現することによって、配置空間での厳密解であるFull-CI解を、実際の次元数より遥かに少ないメモリ使用量で計算することが可能である。しかしながら、励起状態への適用が困難であること、擬縮重状態のように複数の状態のエネルギーが近接している場合は、収束解が得られないという問題があった。 最近、これらの問題を解決する手法として、モデル空間量子モンテカルロ(Model Space Quantum Monte Carlo (MSQMC))法が提案された。MSQMC法でのモデル空間は、目的とする状態の主配置から構成され、その他の多数の電子配置からの寄与は、トランスファー行列のサンプリングによって確率的に有効ハミルトニアンの中に含まれる。この有効ハミルトニアンの対角化によって、完全縮重や擬縮重を伴う任意の励起状態を計算することが可能である。当日は、研究の背景や計算アルゴリズムについても説明する予定である。
  • 昼休み(12:10 - 13:10 若手の会 運営委員会)
  • 13:30 - 14:30(司会:曽我部 知広)
    講演者:垣村 尚徳(東京大学)
    講演題目:ネットワーク上の影響最大化問題とその拡張
    概要: 本発表では,ソーシャルネットワーク上において,クチコミによって情報がどのように伝播していくのかをモデル化し解析する問題を扱う.たとえば,企業が新製品をプロモーションする場合,周囲への影響力が大きな人にのみプロモーションを行えば,その人が周りに宣伝してくれるので,クチコミの効果によって多くの人に知ってもらうことができる.できるだけ多くの人に効率よくプロモーションを行うためには,どのように最初にプロモーションする人を決めればよいのだろうか.この問題は劣モジュラ関数最大化と呼ばれる組合せ最適化分野の問題として定式化でき,貪欲アルゴリズムによって定数近似解を効率よく見つけることができる.本講演では,このようなネットワーク上の影響を最大化する問題における先行研究と,それを拡張した発表者のグループによる研究成果を紹介する.
  • 14:35 - 15:35(司会:谷口 隆晴)
    講演者:松江 要(統計数理研究所)
    講演題目:計算ホモロジーによるガラスの特徴付け
    概要: 与えられた点データに内在する幾何学的情報をスケールの変化を介 して捉える「パーシステントホモロジー」の数学理論が近年急速に 発達してきています。さらに計算機でも扱えるようになり、応用研 究も拡がりつつあります。今回は材料科学分野への応用として、非 晶質構造をもつ材料の幾何学的視点からの特徴付けを試みます。 まずパーシステントホモロジーのアイデア、そこから捉えられる種 々の情報を簡単に紹介します。その後、これまで詳細な構造解析が 困難だった「金属ガラス」の特徴付けについて、さらにその他のい くつかのガラスの特徴付けにおける試みを話します。数学の外の分 野の全く種類の異なる対象に対して、ホモロジーという1つの数学 の道具が持つ可能性の一端を感じていただければ思います。
  • 15:40 - 16:40(司会:荻田 武史)
    講演者:尾崎 克久(芝浦工業大学)
    講演題目:計算幾何学の初等計算に対する精度保証付き数値計算とその応用
    概要: 本講演では,計算幾何学の初等計算の1つである点と有向直線の位置関係の判定 問題に対 する精度保証付き数値計算について紹介する.まず,数値計算の誤差が及ぼす影 響につい て,いくつかの例題を用意して解説する.次に数値計算の結果が正しいことを数 値計算に よって検証する効率的な浮動小数点フィルタについて紹介し,証明の概要につい て解説し たい.ここで紹介する浮動小数点フィルタは浮動小数点例外の発生に対しても特 別な分岐 処理を必要としない高速な浮動小数点フィルタであり,さらに誤差の過大評価に ついても 避けられていることが特徴である.最後に凸包に対して精度保証を適用した結果 について 計算時間等を比較し,また精度保証法の適用の仕方についても紹介する予定であ る.
  • 16:45 - 17:45(司会:尾崎 克久)
    講演者:友枝 明保(明治大学 / JST CREST)
    講演題目:錯視現象を計算する:ホロウマスク錯視とフットステップ錯視
    概要: 錯視はモノの形や動きが実際とは異なるように見えてしまう現象であるが,その 現象の面白さから,印象的な視覚効果を与える表現方法の一つとして利用されて いる. 本講演では,錯視効果を表現として利用することを目指し,数理的な手法に基づ いて創作した二つの錯視作品について紹介する. 特に,一つ目の錯視作品では,Straight Skeltonと呼ばれる線分ボロノイ図を構 成する手法を利用した作成方法,および,観察される錯視効果の計算方法につい て紹介したい. 二つ目の錯視作品では,錯視が生じる仕組みとその効果が最大となる条件を計算 によって求め,組み合わせることで作成したフットステップ錯視アートについて, 錯視コンテストで世界一となったプレゼンテーションも交えて紹介したい. 本研究は,杉原厚吉教授・小野隼氏(明治大学)との共同研究である.
  • 17:45 - 17:50 おわりの言葉(若手の会幹事:曽我部 知広(愛知県立大学))
  • 18:00 - 懇親会

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Last-modified: 2016-02-01 (月) 19:12:34 (1379d)